[開催報告] 「何が見える?ロボットと一緒にアートを見よう!」

2/25-26は、人ロボット共生学プロジェクト(東京大学)とアート・コミュニケーションプロジェクト(京都造形芸術大学)のみなさんと一緒に、ワークショップコレクションに出展した。人と人とのコミュニケーションを媒介する「ロボット」と「アート」という二つの異質なものが出会い、子どもたちと向き合ったとき、どんなことが起こるのか。

ワークショップは2本立ての構成であった。メインとなるのは、京都造形芸術大学を中心に実施されている対話型鑑賞プログラム「ACOP」を、ロボットと一緒にやってみようというものである。京都造形芸術大の学生のおにいさん・おねえさんのナビゲイションで、ロボットの「ロボビー」は鑑賞者のひとりとして、子どもたちと一緒に鑑賞会に参加する。言ってみれば、ロボは「サクラ」である。

もうひとつのワークショップは、香川県の猪熊弦一郎現代美術館で開発された「ミモカ・アートカード」を使ったミニゲームである。親を一人決めて、作品カードをばらばらに並べたあと、「あなたの選んだ絵には、赤が入っていますか?」「人が描かれていますか?」「明るい感じがしますか?」といった「はい/いいえ」で答えられる質問をしながら、親が心に決めたカードを当てていくという「名探偵ゲーム」をやった。「はい/いいえ」という二者択一的な問いを使っていながら、わたしにとっての「はい」とあなたにとっての「はい」は違う、ということが、このゲームのポイントである。

ロボビーは、完全に自律したロボットではなく、中に人がいないと動作しないロボットである。そこがおもしろい。最初にこの話を聞いたとき、僕は小川洋子さんの『猫を抱いて象と泳ぐ』を連想した。少年リトル・アリョーヒンが、からくり人形の中に入って、チェスの名人たちと名勝負を繰り広げるという物語である。僕も、2日目にはロボの中に入って、子どもたちと一緒に作品を鑑賞した。「ロボの中に入る」というのは、すごく没入感のある(猫を抱いて象と一緒に海を泳ぐような)不思議な経験である。ロボに入るからこそ、できることがある。

猫を抱いて象と泳ぐ (文春文庫)
小川 洋子
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このワークショップは、東京大学大学院教育学研究科の三宅なほみ先生による「知恵の協創」パートの研究の一環として行われた。ロボットもアートも、コミュニケーションを形づくるパワフルなメディアになりうる。ワークショップが終わったとき、子どもたちはいつの間にか、ロボと友達になっていた。

一緒にワークショップを企画してくれた三宅正樹くん、東京大学と京都造形芸術大学のみなさんをはじめ、ワークショップに関わってくださったすべての人に感謝したいと思う。ありがとうございました。